地域団体商標制度と夕張メロン

平成18年からスタートした地域団体商標制度。

商標権の存続期間は登録日から10年ですので、制度が始まった初期に登録された商標はそろそろ最初の更新の時期が迫っています。

地域団体商標制度は、地域の産品等について事業者の信用の維持を図り、地域ブランドを保護することによって、産業競争力の強化と地域経済の活性化のために、登録要件を緩和する制度です。

通常、地域ブランドは、地域名と商品名とを組み合わせたものが主流ですが、このような商標は識別力を有しないとして商標登録を受けることができませんでした。

しかし、地域団体商標制度がスタートしたことによって、出願主体が事業協同組合である等の所定の登録要件を満たせば、識別力を有しないとされる商標についても登録を受けられるようになりました。

愛知県では、最近登録された地域団体商標として「一宮モーニング(登録5825571)」があります。

(参考)
特許庁ホームページ、地域団体商標登録案件紹介、「一宮モーニング」
https://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/tourokushoukai/bunrui/pdf/23-015-5825571.pdf
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ここで、「夕張」という地域名と「メロン」という商品名で構成された「夕張メロン」は、実は地域団体商標ではありません。

一番最初の出願は昭和48年10月5日にされ、昭和54年5月31日に登録されました。地域団体商標制度が始まるよりもかなり前です。

1379023(登録1379023)

1379024(登録1379024)

2591067(登録2591067)

(画像は特許情報プラットフォームより引用)

地域ブランドを保護しようとする動きは地域団体商標制度が始まる前から始まっていましたが、文字商標としては先述の通り識別力を有しませんので、図形商標として出願するしかなかったのです。

図形商標は、文字部分が同一で図形部分が異なる商標です。図形部分が異なれば商標非類似になりやすく、他人による文字部分の便乗使用を排除することはできませんでした。

現在は地域団体商標制度によって文字部分のみでの登録が可能ですので、文字部分の便乗使用を排除しやすくなっています。

平成28年2月16日の時点で特許庁から発表された地域団体商標の登録件数は599件です。

これからのシーズン、各地に旅行に行かれる方も多いかと思います。旅先で多くの特産品を目にする機会があったときには、地域団体商標を探してみてはいかがでしょうか。

(参考)
特許庁ホームページ、地域団体商標登録案件紹介
https://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/t_dantai_syouhyou_tourokuannai.html
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