商標審査基準の改訂

先日の平成28年4月1日から商標登録出願におきまして改訂第12版の商標審査基準が適用されます。

(参考)
商標審査基準〔改訂第12版〕について(別ウィンドウが開きます)
https://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/12th_kaitei_h28.htm

改正ポイントの中で興味深い点の一つとしましては、標語の取扱いです。

これまでは、「標語(例えば、キャッチフレーズ)は、原則として、本号の規定に該当するものとする」(注;「本号」とは商標法第3条1項6号です)と規定され、標語は識別力のないものとして拒絶されてきました。自分もそのように勉強しました。

それが、今回、以下のように改訂されました。

2.指定商品若しくは指定役務の宣伝広告、又は指定商品若しくは指定役務との直接的な関連性は弱いものの企業理念・経営方針等を表示する標章のみからなる商標について

(1)  出願商標が、その商品若しくは役務の宣伝広告又は企業理念・経営方針等を普通に用いられる方法で表示したものとしてのみ認識させる場合には、本号に該当すると判断する。
出願商標が、その商品若しくは役務の宣伝広告又は企業理念・経営方針等としてのみならず、造語等としても認識できる場合には、本号に該当しないと判断する。

(2)  出願商標が、その商品又は役務の宣伝広告としてのみ認識されるか否かは、全体から生じる観念と指定商品又は指定役務との関連性、指定商品又は指定役務の取引の実情、商標の構成及び態様等を総合的に勘案して判断する。

(ア)  商品又は役務の宣伝広告を表示したものとしてのみ認識させる事情
(例)
①  指定商品又は指定役務の説明を表すこと
②  指定商品又は指定役務の特性や優位性を表すこと
③  指定商品又は指定役務の品質、特徴を簡潔に表すこと
④  商品又は役務の宣伝広告に一般的に使用される語句からなること(ただし、指定商品又は指定役務の宣伝広告に実際に使用されている例があることは要しない)

(イ)  商品又は役務の宣伝広告以外を認識させる事情
(例)
①  指定商品又は指定役務との関係で直接的、具体的な意味合いが認められないこと
②  出願人が出願商標を一定期間自他商品・役務識別標識として使用しているのに対し、第三者が出願商標と同一又は類似の語句を宣伝広告として使用していないこと

(3)  出願商標が、企業理念・経営方針等としてのみ認識されるか否かは、全体から生ずる観念、取引の実情、全体の構成及び態様等を総合的に勘案して判断する。
(ア)  企業理念・経営方針等としてのみ認識させる事情
(例)
①  企業の特性や優位性を記述すること
②  企業理念・経営方針等を表す際に一般的に使用される語句で記述していること
(イ)  企業理念・経営方針等以外を認識させる事情
(例)
①  出願人が出願商標を一定期間自他商品・役務識別標識として使用しているのに対し、第三者が出願商標と同一又は類似の語句を企業理念・経営方針等を表すものとして使用していないこと

もちろん、上記の審査基準にあてはまるものは拒絶されますが、今後は、上記の審査基準を考慮すれば、キャッチフレーズやスローガンの登録が容易になるかもしれません。