モノグラム商標の読み方

2つの文字を組み合わせて図案化したものを「モノグラム」と呼びます。

ルイ・ヴィトンのモノグラム商標がよく知られています。
20171030_1419883(登録第1419883号)

商標が似ているか似ていないかの類否は、外観・称呼・観念の三点観察を基本とします。三点観察の中の称呼は「商標の読み」です。

例えば犬の図形のように、図が明らかに犬を示していた場合には「イヌ」と読めます。しかし、犬のように見えるが確信が持てないような図などの場合には図の読みができないとして「称呼が生じない」となります。

では、「V」と「L」を組み合わせたモノグラム商標はどのように読むのでしょうか。

過去の裁判(平成3年(行ケ)91)では、
「複数のローマ字をモノグラム化した構成からは特定の観念を生じることはないとしても、モノグラムとは文字の組み合わせであるから、文字に称呼がある以上、当該商標が複数のローマ字をモノグラム化した構成からなることが一見して明らかな場合にまで、一切称呼が生じないと解することは相当でない。」
と判示しています。

また、この裁判では、上のモノグラム商標を『ヴィーエル』、『ヴイエル』、『ブイエル』、『エルヴィー』、『エルヴイ』、『エルブイ』の称呼が生ずる、と判示しています。

つまり、読める文字で構成されている以上、モノグラム商標は読める、というわけです。

では、下記のモノグラム商標はどのように読むのでしょうか。
20171030_5159867(登録第5159867号)

審決(不服2007-30332)では、
「本願商標は、(略)、「S」の文字の右やや上方に小さく表された「3」の数字は、一般に、乗法における「3乗」と呼ばれる乗数であって、その存在が意味するところは小さくないから、本願商標の構成においてもその存在を無視すべきではなく、かつ、該「3」の数字部分を捨象して観察すべき格別の理由も見出し難いので、本願商標は、かかる構成全体をもって、自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきであり、特定の称呼及び観念は生じないものといわざるを得ない。」
と判断されています。

つまり、読める文字で構成されていても、特定の称呼は生じない、というわけです。

モノグラム商標は読めたり読めなかったりするわけですが、文字の配置を工夫して、特定の称呼を生じさせないようにすることで、出願の拒絶や商標の類似を回避できる可能性があるということです。

(画像は全て特許情報プラットフォームより引用)